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第1回 ランニングとは?
第2回 心停止を予防するには?
第3回 <ランニング編3>「熱中症」とは?第3回 <ランニング編3>「熱中症」とは?第5回 腰の痛み vol.1 〜筋・筋膜性腰痛症〜
ランニング Q&A
第3回 <ランニング編3>「熱中症」とは?

夏も本番!夏場でも海外や北陸などの各地でマラソン大会が開催されています。暑い中レースやイベントに向けて、無理に頑張って練習量を増やしていませんか?そんな中で問題となるのが「ケガ」。今回は、ランナーのケガで特に多い「膝関節の痛み」についての対処と予防法をご紹介します。

よく起こる膝関節の障害とは?

ランニングによる代表的な障害に、「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」と「鵞足炎(がそくえん)」があります。
膝 腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)は、お尻の筋肉からももの外側を通り、膝の外側に付着しています。鵞足(がそく)とは、膝の内側に位置する、 縫工筋(ほうこうきん)薄筋(はくきん)半腱様筋(はんけんようきん)の腱の付着部の総称です。

「腸脛靭帯炎」「鵞足炎」は、ランニングの距離や練習回数などが増えることで頻発する慢性障害で、膝の屈伸運動を繰り返すことで起こります。主な症状は、圧痛やランニングで接地したときなどに誘発される痛みです。
 O脚やX脚といった下半身の形態的特徴が原因になりやすく、腸脛靭帯炎は、男子ではO脚が、女子では扁平足など膝だけではなく足の状態も大きく影響します。鵞足炎は、X脚などで膝の内側に慢性的なストレスがかかることで、痛み症状が増加する傾向にあります。また、誤ったランニングフォームが原因で膝周囲への負担が大きくなり、痛みが発生することもあります。

痛みが出てきたら・・・
痛みがでてきたら 痛みがひどい急性期には、ランニングを中止し、症状が軽快するまで安静にします。程度が比較的軽いときは、ランニング量の調節やフォームの改善、固い路面の回避、ランニング後のアイシング&ストレッチなど、膝への負担がかからないように調整していくことで痛みが軽減する場合もあります。
 フォームの改善については、歩幅が広く脚への負担が大きいストライド走法から歩幅が狭く負担が少ないピッチ走法に変更することなどで、患部へのストレスは大きく変わってきます。
 アイシングについては、ただ冷やすのではなく、圧迫と挙上(心臓より高い位置に患部を挙げること)を含むRICE処置※をすることが、腫れや痛みを早く軽減するために大切です。
予防のためには?
●ウォーミングアップとクーリングダウンの徹底
 まずはランニング前のウォーミングアップと後のクーリングダウンを徹底することが重要です。特にウォーミングアップには、体温の上昇と共に筋肉の緊張をほぐすなどの効果があります。腸脛靭帯炎や鵞足炎の様な腱の付着部に痛みが出る障害については、事前に筋肉の緊張をゆるめることで、患部に対するストレスは少なくなります。
●日常的なストレッチ
 日ごろからストレッチを行い、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)といった膝関節外側の筋肉と、縫工筋(ほうこうきん)薄筋(はくきん)半腱様筋(はんけんようきん)などの膝関節内側の筋肉の緊張を取ることも重要な予防法のひとつです。

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●ランニングのフォームチェック
 ランニングのフォームチェックを定期的に行いましょう。まずは、スクワットやランジといったトレーニングの動作によって、日常的な下半身のバランスを評価します。ポイントはつま先−膝−股関節の位置。踏み込む(沈み込む)動作の際に、膝が身体に対して外側(内側)に移動してしまう場合、ランニングでも着地時に移動している可能性が高いです。
 また、実際に走る際には、鏡を使っての自己評価や、トレーナーによる評価を受けることで、自分の走り方の特徴をつかみます。ポイントは、@つま先の向きがまっすぐに向いているか、A膝が身体に対して外側(内側)に移動していないか、Bシューズのヒール部分(かかと)の減り方が、外側(内側)に減っていないか、の3点です。
 前述のメニューとチェックポイントで筋力強化と動きの改善をしつつ、ランニングフォームを修正することで、怪我のリスクは大幅に減少します。

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怪我を防ぐためにも、自分の身体の特徴やランニング時のくせの把握、ストレッチなどのケアを徹底するようにしましょう。