- 足がつったとは?
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通称「こむらがえり」ともよばれるもので、ふくらはぎに起こる筋痙攣のことです。場所としてはふくらはぎにある腓腹筋(ひふくきん)に起こりやすく、筋肉が「ピーンッ」と突っ張って、冷や汗がでるくらいの激痛が起こることもあります。
医学的には運動に必要なエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が欠乏して筋収縮を解除できない状態ということになります。
- こむらがえりが起きたら・・・
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まずは座って下半身の力を抜き、痙攣がおきている場所(筋肉が硬くなっているところ)を軽く手でつかみます。もう片方の手で、足の指を上向きにゆっくり曲げます。この時急激に足の向きを上に向けると筋肉が断裂(肉離れ)を起こすこともありますので無理せずゆっくりと行ってください。また必ずしも膝が完全に伸びている必要はありませんので、できる範囲で行ってください。
余裕のある人は立ったまま前後に足を開いて(つった足を後ろにしてください)おなじみのアキレス腱伸ばしの恰好で、ゆっくりとふくらはぎを伸ばしていきます。
このように無理のないファーストエイド(初期治療)を行えばダメージを残さず比較的早く回復できます。
- 病気との関連性
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「こむらがえり」は前述した原因で健康な人にも起こるものですが、頻繁に繰り返したり、いろいろな個所の筋肉が痙攣する場合には病気が関係している可能性もありますので、心配な方は医師にご相談ください。
痙攣が多発する原因で一番多いのは脱水です。長期下痢症や利尿剤の多用(一時期ダイエット目的で利尿薬を乱用する女性が増え、矛盾した主訴と症状で医療者を混乱させたことがあります)、他にも電解質のバランスを維持しづらい腎不全やホルモン分泌異常、筋肉原生疾患、神経原生疾患などでも頻繁に筋痙攣を起こすことがあります。
- こむらがえりを予防しよう
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「こむらがえり」を起こさないよう、運動前には必ずストレッチを行いましょう。特に腓腹筋を含めた下半身の筋肉を中心にストレッチを行っておくとよいでしょう。また体内の電解質のバランスが崩れると「こむらがえり」が起こりやすくなるといわれており、運動中の水分補給(電解質補給)をマメに行うことが重要です。
他にも「ふくらはぎ」の中央ラインにあるツボ「承山」を中心にマッサージを行っておくといいという東洋医学的な予防方法もあります。